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第15回作品ときめき想造展結果

受賞作品

最優秀賞

  • ハレザ池袋


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    ハレザ池袋

    高橋 由男

    最優秀賞

優秀賞

区長賞

社会福祉協議会会長賞

審査員特別賞

アゼリア賞

講評

豊島としま区長くちょう
高野たかの 之夫ゆきお

第15回を数える今回のときめき想造展は、60点もの応募がありました。新型コロナウイルスの流行が続き、新しい生活様式での生活も長く続く中でも、出品者の皆さんは芸術への情熱を絶やすことなく、力強い作品を作り続けています。また、このときめき想造展に出品することを目標に作品制作を続けられている方が多くいると聞いています。ここに、ときめき想造展を続けることの意味を改めて感じております。
また、豊島区は、地球上の誰一人取り残さない社会の実現を目指し、経済・社会・環境の諸問題を統合的に解決しようとするSDGsの理念に基づき、目標に向けた取組の一つとして、障害者を含めた文化事業を進めて参ります。
今後、障害のある方たちの活躍の場として「ときめき想造展」がさらに発展し、「国際アート・カルチャー都市」の実現を目指す豊島区において大きな役割を果たしていくものと確信しております。

豊島としま区民くみん社会福祉しゃかいふくし協議会きょうぎかい会長かいちょう
寺田てらだ 晃弘あきひろ

社協会長として初めての審査会でした。60点の中から5点選択するのは難しく、どれもが個性的で、それでも何かひたすらさや一生懸命さやコツコツさを感じた作品を自分の目を信じて選びました。
私は建築設計の仕事を生業にして来た関係でまず「ハレザ池袋」の工作作品が目にとまりました。作者の視線がファザードだけではなく鳥瞰的にとらえてみごと。屋上の姿を的確に表現して印象に残りました。
私が付箋をつけた5作品がすべて入賞したのには驚きです。
社協会長賞は2点が最優秀賞と優秀賞に入選したので、あと3点の中から細かくて、ていねいな仕事をしている高橋弦也さんの作品にしました。
本来ならもっと多い応募と聞いていますが、まず何にでも挑戦して自分でも知らない才能を発見していただきたいと思いました。

日本にっぽんチャリティ協会きょうかい
瀬川せがわ 乙女おとめ

昨今の新型コロナウイルス感染防止に伴い様々なイベントで人の動きが制限され「新しい生活様式」への対応が求められる中、安全を考慮したウェブ上の展覧会の開催は、目標に向かい制作意欲が高められ、今回も多くの力作が出展されました。
寅年にちなんだ虎の作品も多くのびのびとした個性の中に迫力を感じた作品や豊島区立芸術文化劇場(ハレ座)を細密に表現した造形や色彩豊かなさおり織などコロナ禍においてもこつこつと努力を重ねた作品が目につきました。
またWEBでの開催は何時でも、だれでも気軽く鑑賞することが出来、多くのひとにアートを通じて障害理解の促進につながると思います。

審査員しんさいん

コロナだ戦争だと悲劇的な事が続く中、我等が障害者展も昨年は中止、今年は出品者が少なかったけれど、皆様の充実した楽しい作品にふれ、しばし幸せな時を、審査という形ではあるものの過ごされた事が本当に嬉しい事でした。心なしか区の係の方々も嬉しそうでしたね。
こんな時の中でも絵を描く、ものを作る事に親しむ、皆外に出てゆかずとも家のなかで出来る作業、私自身も新めて気づきます。どうぞ健康に気をつけて増々ステキな作品を産み出してゆかれます事、心から願っています。素てきな作品群拝見出来て有難う。

原田はらだ 恭子きょうこ美術作家びじゅつさっか

コロナ禍での開催で、出品数は少々減少しましたが、力作が多く寄せられ大変嬉しく存じました。
絵画では色彩豊かで、多様な表現の作が多く、他の部でも、個性溢れた作に感銘をうけました。
このような現況の中でこそ、自分と向き合って良い作品を発表して頂きたく思います。
今後に期待を申し上げます。

ほり 吉光よしみつ書家しょか

今年もコロナウィルスの不安がおさまらない中での制作になったと想像します。
あるいは、そのような状況が少なからず気持ちや、表現に影響したかもしれません。
どんな状況でも表現することで生まれる気持ちや、気づきや、充実感や、高揚感を大切にしてください。
今年は切実で内省的な表現に僕自身も惹かれるものがありました。一方で表現する楽しさが感じられる元気いっぱいの作品も見られて嬉しかったです。 今回、惜しくも入賞しなかった作品の中にも魅力的な作品が多くありました。
来年も楽しみにしています。

本間ほんま じゅん美術作家びじゅつさっか

長年審査をするに当たり、参加の皆様への強い想いを最初に伝えます。
時に、今回は受賞出来なかった方々に対して、エールと拍手を送ります。
受賞出来なかったことに、それほどガッカリしないでほしいのです。参加出来たことへの喜びを胸に、明日への喜びに繋いで、また新たな創作活動を続けて頂きたいと祈念致します。 コロナ感染防止のために、本年も例年よりは、参加は少なかったようですが、続けての参加の方々は、昨年よりも更に努力し、気持ちのしっかりと入った作品が多かったようです。

受賞作品について。

最優秀秀賞・高橋由男さんの「ハレザ池袋」は、観ての通りの素晴らしい手の込んだビルの模型は圧巻で、満場一致で受賞になりました。創作の努力に感服です。

優秀賞・久保貴寛さんの「室蘭市の珍しい工場」は、久保さんの新境地が見られる大作になりました。
いつもの抜けるような青空と、光に包まれた建物の表現にプラスされた影の魅力が増しました。
真剣に制作し続けた久保さんならではの、影の発見の魅力と思います。

優秀賞・川村知英さんの「風にのって」は、今回も気持ちの良い抽象絵画でしたが、一見同じように見られるタイプの絵に思われがちな絵画空間を、自分なりに追求して描き続けられている川村さんの制作の姿勢はプロの画家の域に達しているようです。
今回は、流れるような気持ち良い空間にプラスして、更なる新しい層としての絵画空間が描かれています。
この層は、簡単に出来るものではなく、川村さんの進撃なる絵に対する取り組みがなされた特別な絵画空間といえます。
川村さんの目覚しい進化に、歓声を送ります。

優勝賞・設楽順子さんの「泣き笑い光と影」は、クレヨンで画面いっぱいに描いた力強い顔の絵に、観る者は圧倒されます。
内なる秘めた作者の感情を、素直に画面にぶつけて、個人を超えて観る者は共感し、感動の嵐に巻き込まれていきます。
今の世の中に、驚嘆するような私達にも想えてきます。

審査委員特別賞
私からの特別賞は雨月まみんさんの「Precious~大切な人~」です。三人で握手をしている手の表現です。御本人とお友達の手でしょうか。親御さんの手でしょうか。先生の手でしょうか。
まわりの丁寧な魅力有る花達の表現も素晴らしい。勿論主役の手の表現も素朴で、ほのぼのとして、素晴らしいのひと言に尽きます。本人の描きたい気持ちと題名と絵が、ピッタリ合ったようで、観る人の心にも熱いメッセージが届きます。

アゼリア賞で、私のお気に入りは
青木靖子さんの「かげとあかり」です。手前に有る樹木も含め、影と光で絵を、画面全体をしっかりと、積極的に構成しています。
題名にも有るように、御本人の力強い意志を感じられる絵になりました。
残念なのは、まだ途中の印象が残ります。
遠景の魅力有る光に包まれた光景を、時間を掛けて、完成に持っていけると良いでしょう。

まだまだ、沢山褒めたい作品でいっぱいです。
点字の紙で織りあげた白いカゴなどは、障害者の方ならではの、目の見えない方だけでなく、点字を良く知らない人達に対しても、暖かい温もりの実用作品です。
世の中タイヘンな時だからこそ、「本当に生きることとは何か。」と観客に様々なたいせつなことを教えてくれる作品の数々です。
今年も展覧会参加の皆様と、作者御本人をら支えていただきました数々の皆様と、展覧会運営をされました皆様に、心より感謝を申し上げます。

白木しらき ゆり (美術作家びじゅつさっか

応募作品一覧

(作者名五十音順)